2012年10月4日木曜日

『鋼の錬金術師』完全版18巻

これにて完結。
最後まで面白い作品だった。

死んだ自分の母親をよみがえらせる人体錬成を行ったばかりに、とんでもないことになってしまったエドワードとアルフォンスのエルリック兄弟。
兄エドワードは、右腕と左足を失い、アルフォンスにいたっては全身を失って、鎧に魂を定着させて生きている。
その2人が自分たちの体を取り戻す方法を求める物語として始まった。


途中から、この国を取り巻く巨大な陰謀に巻き込まれ、ホムンクルス達との闘いに発展していくが、生命とは…という大きなテーマが一貫して描かれていた。

そして、この最終18巻では、2人の体を奪っていった「真理」と向き合うことで、ついに念願であった自らの体を取り戻す。

エルリックの右腕は、アルフォンスが自らの魂を代価として差し出す事で取り戻し、
アルフォンスの体と魂も、エドワードがあるものを代価に差し出す事で取り戻した。
「真理」は最後に言う。
「おまえは真理(オレ)に勝った。持っていけ、全てを」と

エドワードが代価に差し出したもの…
それは、非常に意表をつくものだったが、実に理に適ったものだった。

錬金術の能力。

扉を開き、得た特別な能力を手放したのだ。


さんざん苦しみ、悩み、傷ついた日々があったからこそ辿り着いた結論。
2人は「真理」を超える「真理」を手にしたように思う。

本当に爽やかで納得のできるラスト。
結局、「生きている」ということがどれだけ素晴らしい事か…
最後の最後、アルフォンスだった鎧兜を小鳥が巣にしているカットがゾクッとした。

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