『さくらの唄』
『惡の華』作者、押見修三先生が最もインスパイアされたという作品。
1990年代、ヤンマガで連載されていた安達哲先生の漫画。
『バカ姉弟』しか知らないと「えっ!」てなるかも…
確かに、『惡の華』と同じテーマを持って描かれており、多くの性的倒錯と思春期の鬱屈が描かれている。
はっきり言ってめちゃくちゃ面白い。
『惡の華』好きなら、絶対に読んだ方が良い。
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各所で話題の「悪の華」5巻がスゴいと噂には聞いてたけれど、確かにスゴい。
佐伯さんがグッチャグチャ。
春日を無理矢理押し倒して、パンティずらしてセックス。(正直、興奮した)
春日とセックスしていない仲村さんに、私は「春日くんとヤッた!」と激白する。
この5巻にして、作者の主張たる変態賛歌の本質が見えて来て、これが結構深いと思う。
端的に言うと、変態とは「精神的快楽が肉体的快楽を凌駕した状態、またはその状態でいられる人間のこと」と押見先生は捉えているのだ。
人は、不安だから、心を通わせられないから体でつながろうとする。
春日と心を通わせられないからこそ、佐伯は春日とのセックスを求めた。
セックスによって仲村さんに対して優位にたとうとした。
しかし、肉体がつながっても、仲村さんへの敗北感はなくならなかった。
「精神は肉体を凌駕する」
これが、思春期に文学に傾倒し、オレは他の人間とは違うんだ!と思うことで自我を形成した押見先生のよりどころなのだろう。
実際、正しいと思う。
各所で話題の『悪の華』最新刊5巻が出たようですが、その前に1〜4巻まで一気読み。
ボードレールを愛する文学少年 春日高夫は、ある日密かに想っていた佐伯奈々子の体操服を盗んでしまい、その場面を同級生の仲村佐和に見られてしまう。
弱みを握られた春日は、仲村に「盗んだ体操服を下に来て佐伯とデートしろ」など、様々なド変態要求をつきつけられる。
そして、徐々に仲村に惹かれ始める春日は、たびたびド変態暴走モードに突入し、女生徒全員のパンツを盗んだり、もはや性犯罪者の域に。
「このクソムシが!」「ズブズブのド変態でしょ!」
など常軌を逸した罵倒の言葉が実に印象深く、グッサグサ刺さってきます。
思春期特有の出口の無いドロドロとした鬱屈と仲村、春日の変態っぷりにゾクゾクしながら読む漫画。
これきっと、作者自身がド変態です。
ド変態キャラの漫画を描けば、人気でて売れるんじゃないか?みたいな商業的動機で描いているというよりも(もちろんゼロではないでしょうけど)、思いっきり自分のズブズブの変態性をさらけ出したいという、私小説家的自己顕示欲求&性的欲求に基づいて、極めて真摯に描かれている気がします。
作者の押見修造先生自身が、影響を受けた作品に喜国雅彦先生の『月光の囁き』をあげていることからも間違いないでしょう。(『月光の囁き』も“性癖”に真摯に取り組んだ名作。)
これは、変態から世間様へのアプローチです。
なんて言うと「人間はみんな変態だよ」みたいな一般論がありますけど、ここでいう「変態」はそういううわべのファッション変態とは一線を画しています。
自分の奥の奥からわきあがる凶暴な獣のような変態性。
良識ある人間なら保つべき「倫理」を食い破り、自分を犯罪者へと落としかねない制御不能の獣。(現に、春日くんも体操服やパンツを盗んだ犯罪者である)
押見先生は、そんな自分の飼う変態獣と対話しながら描いているのでしょう。
違ったら、ごめんなさい。
でも、正直、自分もあっち側の人間だから、わかります。