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このマンガがすごい!2013

今年は、男部門1位が『テラフォーマーズ』
女部門1位が『俺物語』でした。
『テラフォーマーズ』は僕も大好きで、このブログでも何度か書いてましたが、まだ始まったばかりでこんなに評価していいのかね?
面白いマンガの青田買いがテーマなんでしょうけども…


 本当にすごいマンガのランキングを見たい気もします。
だって、『テラフォーマーズ』まだ3巻、『俺物語』はまだ2巻しか出とらん。
一昨年1位の『進撃の巨人』ですらまだ9巻。
う〜ん。

ま、さておき、今年の自分のベスト5を言うならば…

第1位 『キングダム』
第2位 『極黒のブリュンヒルデ』
第3位 『ジョジョリオン』
第4位 『監獄学園ープリズンスクールー』
第5位 『HUNTER×HUNTER』

1位の『キングダム』は圧倒的に、今一番面白いマンガだと思います。
あの面白さ、あの描き込み量、あのテンションをず〜っと維持しているのは驚異。
ただ、このマンガは一昨年も、去年も、今年も、来年以降も変わらずずっと面白いでしょうから、殿堂入りものともいえます。
「このマンガがすごい!」の青田買い精神にのっとるならば、2位の『極黒のブリュンヒルデ』がすごい!
少女たちが特殊能力を持つ「魔法少女もの」だが、その設定とか、能力の異色さとか、異才岡本倫によってこれまでにない全く新しい作品になっております。
『ジョジョリオン』はもう、僕はジョジョ教に入信していて教祖荒木様を大尊敬しているので、もはや冷静な判断は下せません。
ただ、25年目、8シリーズ目でまだ新しいことに挑戦しておるなという、まだ新しい面白さを見せてくるなという、そこがもう感動します。




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『HUNTER×HUNTER』と『寄生獣』

『HUNTER×HUNTER』のキメラアント編と『寄生獣』
この2作品、ともにたまたま最近読んだのだが、よく似ている部分があって興味深い。
  

どちらも、人類と異種生命体の闘いがテーマ。

『寄生獣』は、人間の脳に寄生し、人間をのっとるパラサイト。
『HUNTER×HUNTER』は、他の生物を食べてその特徴を次世代に残す蟻、キメラアント。
どちらも人間を補食する、極めて残忍な種。
しかし、両作品とも、必ずしも敵を絶対悪としては描いていない。
むしろ、様々なシーンで人類の残酷さを印象づけている。
それが顕著に現れているのが、ボスの倒し方。

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『HUNTER×HUNTER』19〜30巻

キメラアント編を一気読み。
これは面白かった、本当に。

『幽遊白書』も好きだし、『HUNTER×HUNTER』のここまでも面白かったが、キメラアント編は別格。

ゴン達が、王の宮殿に突入してからの、同時多発的に起こる闘い。
シーンを次々と変え、カットバックしながら描かれるスピーディーな展開は、まるで良質なアクション映画のよう。

面白いのは、キャラクター1人1人が、それぞれ違う立場、違うモチベーションで動いていること。
キメラアントの王を倒すという共通目的を持って突入したメンバー達でさえ、想いはそれぞれ違う。
ゴンは、「カイトを元に戻したい」
キルアは、「ゴンと一緒にいたい」
ネテロ会長は「しょうがないからオレが戦うしかない。たぶん、死ぬなあ
(でも強いヤツと戦うのちょっと嬉しい)」

キメラアント側の王護衛軍も、王の軍儀の相手コムギの取り扱いをめぐって考えも行動も違う。
そんな個々の思惑が、事態を次々と変化させていく。
こういうのを「キャラが生き生きと動いている」というのだろうか。
初期の『HUNTER×HUNTER』の感想で、「記号化のうまさ」と書いたのだが、そのデジタルな演出のうまさから一歩先へ進んだ感がある。
相変わらず記号化はうまいが、その記号に生命を与える能力を得たというか…

単純な善悪二元論を超越する、少年漫画としては異色で革命的な作品になったと思う。

そして、最も革命的なことは、ラスボスである王を倒すのが主人公のゴンではないということだろう。

王がネテロ会長の爆破から、ユピーとプフを食って復活したとき、誰もがこの強くなった王にゴンが挑むことになるのだろうと思ったはず。(なにせドラゴンボールのフリーザみたいなんだもん、王。)
しかし、そうはならなかった…

迎えるのは、意外な結末。
ラスト、王がコムギの膝で眠るシーンは、まあ泣いた…
今、思い出すだけでも、涙が出る。

でもよく考えると、ゴンが王を倒さないのは当たり前だっただ。
ゴンは「カイトを元に戻したかった」だけ。
そのために、実は王は関係ない。

そう考えれば、結構みんな自分の想いを全うしていることにきづく。

■ ユピーとプフは王の栄養となることで、最高の至福を得た。
■ ネテロ会長は、人類の全ての業を背負い、自分の命と引き換えに王を殺した。
■ その他のハンター達も、自分の職務は全うした。
■ 王は自分の名前を「メルエム」と知り、コムギと軍儀を打ちながら死ねた。
■ ゴンは、カイトを元に戻せなかったが、カイトを追い込んだ張本人ピトーを倒したし、
実は女王蟻が最後にカイトを生んでいたからよし。
■キルアだけは、ゴンとずっと一緒にいられず、後悔している。

ということは、これから描かれる物語は、キルアの物語であろう。
そもそも、主人公のゴンはあまり読者が感情移入できるキャラクターではない。
ちょっと迷いがなさすぎるし、まぶしすぎるのだ。
その光に憧れながら、自分の影をとのギャップに怯えていたキルアの目線の方が、読者に近い。

キルアがゴンへの愛情の中に感じている妙な後ろめたさを解消したとき、この物語は終わるかもしれない。

それにしても…
休載が多いのはどうやねん!?と思っていたが、休載してこれだけクオリティがあがるなら、それも正しいのかもしれない…。
週刊連載で、今の漫画に求められるクオリティを維持するには、相当厳しいのだろうし、冨樫先生がそのはるかに上を目指しているのだということは、この作品を読んでよくわかったしね。
正直、これまでは「サボってんだ」と思ってたけど…。




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『HUNTER ×HUNTER』14〜18巻

グリードアイランド編。
もっと長くやってたのかと思ってたけれど、5巻で完結している。
この内容の濃さを5巻に詰め込めるところが、冨樫先生の凄みだろう。
他の漫画家なら倍以上に延びているはず。

このグリードアイランドでビスケと出会ったゴンとキルアは、ビスケの修行を受けてどんどん強くなる。
キルアはハンター試験、1次試験で自分以外のメンバー全員を秒殺で気絶させ、たった一人で合格するほど…
これぞ、ジャンプ名物 強さのインフレ!
しかし、『ドラゴンボール』と違うのは、戦闘が戦闘力の競い合いに終始しないこと。
だいたい、ゴンやキルアは強くなっても、戦闘力自体は敵ボスよりだいぶ弱いところまでしかいかない。
あとは、戦術と機転、相性によって勝つ。
レイザー戦でトドメを刺したヒソカのバンジーガムもそうだし、爆弾魔ゲンスルーに対する落とし穴と岩もそう。
だから戦闘自体がテンポよくて面白い。

ゲーム「グリードアイランド」の設定自体は、つきつめれば矛盾もいっぱいありそうだが、その辺りをとやかく言い出すと楽しめないので、「言うても漫画だよ」ってことにしといた方がいい。

でも、最後の報酬でもらう3枚のカードのオチなどはよく考えられていてよい。

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『HUNTER ×HUNTER』11〜13巻

幻影旅団(クモ)との闘いが一応の決着。
幻影旅団は、クラピカにとっては、同胞クルタ族を絶滅させた憎い敵。
そして、世間的にもオークションで大量虐殺を行ったとんでもなく強い悪党の集団。
普通の漫画なら、その旅団員と次々戦って倒し、ラスボス的に待ってる団長を倒せばハッピーエンド、的な展開をするのだが…
そうしないのが『HUNTER ×HUNTER』の非凡な所。

最初は、完全なる悪として描かれる旅団だが、その中にもメンバー同士の絆だったり思いやりの気持ちがあったり、結構人間らしい奴らとわかっていく。
それを知ったゴンとキルアは、クラピカと旅団の憎悪の連鎖を断ち切るために行動する。

その結果、駆け引きはたっぷりあるが、闘いはほとんど行われず、
クラピカはゴンとキルアを救うために旅団への復讐をあきらめ、
旅団メンバーは団長を救うためにクラピカへの復讐をあきらめる。
クラピカも旅団(クモ)も憎むべき相手を殺すのではなく、大切な人を守るための行動を選択した。
この少し拍子抜けだが清々しい展開を冨樫先生はどの段階から考えていたのだろうか?

何にせよ、戦うこと自体を目的化しないところが、この漫画のよい所だなあと思う。

今後気になるのは、旅団長クロロ・ルシルフル。
彼がその能力を完全に見せることなく、念能力を失ったのが少しもったいないような気がしたが、このままでは終わらないだろう。

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『HUNTER×HUNTER』6〜10巻

『HUNTER×HUNTER』一気読み。
天空闘技場〜幻影旅団との対決へ…
ハンター試験に合格したゴンと失格になったキルアは2人で行動を共にし、天空闘技場で「念」の概念を初めて知る。
「念」…「気」や「オーラ」「コスモ(小宇宙)」的でなものと、「波紋」や「スタンド」をミックスしたようなジャンプバトル漫画のいいとこどり的な能力。
休載が多くなければ、『ワンピース』や『ナルト』より、こっちがジャンプ漫画の王道っぽいなと…

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『HUNTER×HUNTER』1〜5巻

休載が長過ぎるし、汚いネームみたいな絵載せて「単行本で直します」みたいなこと平気で書くし、冨樫先生の連載姿勢は正直嫌い。
だから、ジャンプで読むのはとっくの昔にやめているのだが、連載姿勢と漫画の才能や作品の面白さはまた別のこと。
そう、思い直してちゃんと単行本で頭から読むことにした。

読むと…面白いね、相当。

連載のテンポは悪いけど、話のテンポはすごくイイし、なにより登場キャラクターが敵も味方もいいヤツも悪いヤツもみんな愛せる。
いい意味での軽さがあって、すごくゲームっぽい漫画。
それが冨樫先生の魅力でもあるわけで、我々、ジャンプ黄金世代、ゲーム黄金世代にとっては非常にここちよい。

冨樫先生は、何が凄いかというと「記号化」の能力がスゴい。
まず、個性的でキャラクターのたった登場人物達。
しかし、キャラクターが立つというのは、その性格をシンプルにし極端化しているということ。テレビでオリラジ藤森が「チャラいキャラ」を確立しているが、これこそが「記号化」
冨樫先生はこういうキャラクターの記号化がウマい。
クラピカの「クルタ族の生き残り」とかキルアの「暗殺一家の息子」とか記号化以外の何ものでもない。
そして、戦闘。
戦闘力の多寡の競い合いに時間を費やすことがまずない。
戦闘力がどちらが高いか、それは一瞬にしてわからせ、あとは局面を変える行動だけを描く。
読者に展開と意味をわかりやすく見せるシーンとセリフだけを記号的に展開させた戦闘になっているため、非常にテンポがよく見やすい。
ストーリー全体もそう。
かなり意味のあるシーンだけを印象づけながらつむいでいくため、少ないコマ数で濃密な展開となっていく。
あと、中途半端なことを一切しない。
強いヤツはハンパなく強く見せるし、弱いヤツは瞬殺される。
金持ちはハンパなく金持ちだし、悪いヤツは人間らしい心なんぞもっていない。
これも、極端化による記号化である。

「記号化」というと味気なくつまらないもののように聞こえるがそうではない。
これは、伝達力を上げるための方法であり、冨樫先生がそれだけ読者に伝えるということに向きあっている漫画家だということである。

まあ、本当に読者のことを思うなら、連載スピードあげてよ…ってのはあるけどね。



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