2012年2月11日土曜日

『ベルセルク』ワイド版4巻

黄金時代編、最大の名シーンが描かれる。

鷹の団を去ろうとするガッツをグリフィスは許さない。
ガッツとグリフィス、鷹の団最強の2人が剣を交えることになる。
それは、ガッツが鷹の団に入った時以来のこと。
当時はグリフィスの圧勝だったが、幾多の戦いを経たガッツの成長は著しかった。
ガッツは一瞬にしてグリフィスを打ち倒し、そのまま振り返ることもなく去ってしまう。
これが、すべての運命の分かれ道。
ガッツは、「こんなことはグリフィスにとっては道ばたの小石につまづいた程度のこと」と心の中でつぶやく。
しかし、グリフィスにとっては、半身を奪われるほどの喪失感だったに違いない。
運命の歯車はここから狂い、グリフィスと鷹の団はあっという間に堕ちていく。

王女シャルロットの前にあらわれたグリフィスが、どことなく『シグルイ』の伊良子清玄を思わせる。危うく脆い美しさというか…

この巻では、髑髏の騎士が初登場し、ノスフェラトゥ・ゾッドも思わせぶりに再登場している。ガッツを『もがく者』と呼び、その後のダークファンタジーの到来を予感させている。

最後に描かれるガッツとキャスカのキスもなかなか美しく印象深いシーンである。

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