2012年2月15日水曜日

『ベルセルク』ワイド版5巻

巻頭、ガッツとキャスカが結ばれる。
2人とも筋肉すごいなって感じの営みだが、不器用同士でなんだか微笑ましい。
その後の2人の意識しあった感じとか、サークル内恋愛か!みたいな…

そして、鷹の団は念願のグリフィス奪回を果たすが、超美形だったグリフィスは執拗な拷問によって不具になり、剣を持つことも適わぬ体となっていた。
このあたりは栗本薫先生の小説『グインサーガ』で超美形キャラ アルド・ナリスが拷問を受け、やはり不具となるシーンを彷彿とさせる。
実際、三浦先生は『グイン・サーガ』に大きな影響を受けているらしい。

誤解を恐れずに言うと、私は不具や体の欠損が当たり前に描かれている作品が好きだ。
不具者や異形の存在が主人公だったり、重要キャラクターだったりというのは、西洋のファンタジーにはよくあること。
結局、ヒロイックファンタジーの多くは自分探しであり、生きるということとの向き合いだったりするから、欠損や異形も「自我」を形成する一部となるわけだ。
それによって受ける差別、同情、嫌悪、そしてそんな自分に絶望したりすることも含めてね。
今回の場合は、グリフィスに徹底的な絶望を与えるためのファクターとして作用している。

しかし、同時にそこまで深い意味もなく、「戦場で斬りあってるから体のどっかなくなったりするよね」みたいな少し突き放したフラットな感覚の発露もあったりして、それが心地よい。

そして、後半は髑髏の騎士、ゾッド以外にもワイアルドら人外の魔物が蠢き始め、「蝕」へと加速していく。
このあたりの展開は、今読み返すと本当にテンポがいい。
良すぎると思うくらいに。



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