2012年2月3日金曜日

『ベルセルク』ワイド版3巻

黄金時代編。
鷹の団であっという間に頭角を現し、切り込み隊長になったガッツ。
彼の活躍もあって、鷹の団の強さは比類のないものとなり次々に戦功を重ねていく。
グリフィスはどんどん出世し、宮廷内でも力を持ちはじめる。
政敵を暗殺し、王女シャルロットにも急接近。
自らの野望に順調に近づいているように見えたが、運命の歯車は少しずつ狂い始めていく。

この巻のキーワードは「夢」と「友」
ガッツとキャスカが生還した後、夜、かがり火の灯る街を見下ろしながら語るシーンが印象深い。
街のかがり火一つ一つをガッツは、人の夢に喩える。
1人1人が夢を持って集まっているが、その火はすぐに消えてしまいそうな小さながり火。
だから、消えないようにもっと大きな炎に身を託すのだと…
そして、その大きな炎こそがグリフィスなのだと…

しかし、そう言ったガッツは、「鷹の団を離れる」とキャスカに告げる。
それは、人の夢に人生を託すのではなく、自らの炎を大きく燃やそうというガッツの意志。
だが、そのきっかけとなったのは、グリフィスがシャルロットに語った言葉を聞いたからだった。
グリフィスはこう語った。
「私にとって友とは、決して人の夢にすがったりしない…誰にも強いられることなく、自分の生きる理由は自ら定め進んでいく者…そしてその夢を踏みにじる者があれば全身全霊をかけて立ち向かう…たとえそれがこの私自身であったとしても…そんな“対等の者”だと思っています。」

グリフィスとガッツは、上官と部下であったが、心のどこかでそれ以上の存在として相手を必要としていた。
つまりは、友でありたかった。しかし、まだ友ではなかった。
実は、グリフィスからアプローチはあった。
政敵ユリウスの暗殺をガッツに依頼する時、グリフィスはこう言う。
「汚い仕事だし、失敗も許されない。だからこそ、この仕事はお前に頼みたい。頼まれてくれるか?」
命令ではなく、文字通り頼んだ。
これは、ガッツへの特別な感情から出た言葉である。(グリフィスがどこまでその想いを自覚していたかは曖昧だが…)
しかし、ガッツはこう答える。
「らしくねえな。しのごの言わずに命令すりゃいいんだよ。」
結果、暗殺は見事に遂行されるが、実はグリフィスの求愛は空振りに終わっているのだ。
そして、「命令」に従って行った暗殺はガッツの心を荒ませた。

ガッツが鷹の団を離れたのは、グリフィスから離れたかったのではない。
グリフィスにもっと近づきたかったから。対等の友になりたいと願ったから。
しかし、これがさらなるすれ違いを生み、悲劇の引き金になっていく。

この辺りの伏線の張り方と回収はかなり見事。
読み返すと本当に感心してしまう。

映画、見よう。



にほんブログ村 漫画ブログへ  人気ブログランキングへ

0 コメント:

コメントを投稿

 

©2009漫ぶろ〜ぐ | by TNB