2012年4月6日金曜日

『HUNTER ×HUNTER』11〜13巻

幻影旅団(クモ)との闘いが一応の決着。
幻影旅団は、クラピカにとっては、同胞クルタ族を絶滅させた憎い敵。
そして、世間的にもオークションで大量虐殺を行ったとんでもなく強い悪党の集団。
普通の漫画なら、その旅団員と次々戦って倒し、ラスボス的に待ってる団長を倒せばハッピーエンド、的な展開をするのだが…
そうしないのが『HUNTER ×HUNTER』の非凡な所。

最初は、完全なる悪として描かれる旅団だが、その中にもメンバー同士の絆だったり思いやりの気持ちがあったり、結構人間らしい奴らとわかっていく。
それを知ったゴンとキルアは、クラピカと旅団の憎悪の連鎖を断ち切るために行動する。

その結果、駆け引きはたっぷりあるが、闘いはほとんど行われず、
クラピカはゴンとキルアを救うために旅団への復讐をあきらめ、
旅団メンバーは団長を救うためにクラピカへの復讐をあきらめる。
クラピカも旅団(クモ)も憎むべき相手を殺すのではなく、大切な人を守るための行動を選択した。
この少し拍子抜けだが清々しい展開を冨樫先生はどの段階から考えていたのだろうか?

何にせよ、戦うこと自体を目的化しないところが、この漫画のよい所だなあと思う。

今後気になるのは、旅団長クロロ・ルシルフル。
彼がその能力を完全に見せることなく、念能力を失ったのが少しもったいないような気がしたが、このままでは終わらないだろう。

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