2012年1月31日火曜日
『キングダム』16〜20巻
16巻で、ついに王騎に最期の時が!
秦の武の象徴であった王騎が、趙の新しい三大天、李牧と龐煖の前に倒れた。
王騎ほどの存在となってしまうと、作者がストーリー上死ぬと決めていても、生半可な死に方では読者は納得しない。
しかし、この王騎の最期は文句のつけようがなかった。
圧倒的にスリリングで凄みのある戦いであり、死であった。
『キングダム』という壮大なる大河ドラマの中でも、伝説的名シーンとして後世に残ることは間違いない。
そして、この死が持つ意味は極めて大きい。
王騎の存在は、ここまで信が目指す「天下の大将軍」の具現化として描かれて来た。
「天下の大将軍」を目指すと言いながら、右も左もわからないヒヨッ子の信には、どうしても道標が必要で、その役割を果たしたのが、他ならぬ王騎だった。
『キングダム』は信が王騎になる物語なのだ。
だが、同時に王騎は一貫して「過去の大将軍」であった。
信が自らの目的地をある程度理解し、自らの足でその方向へ進めるようになった今、王騎の役割は終わってしまった。
信が成長した故に、信が更に成長するために、王騎は死なねばならなかった。
そして、その死と引き換えに信の前に、李牧という強大な壁が登場することになる。
さらに、信のライバルとして、王賁、蒙恬といった若武者が台頭。
王騎の死をもって、中華に新しい時代が到来した。
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