2012年1月29日日曜日

『カムイ外伝 剣風』ワイド版5巻

奇才 白土三平の1960年代の名作忍者漫画。
抜け忍となったカムイが、次々と差し向けられる刺客忍者達と闘いながら逃走を続ける物語
『カムイ伝』のスピンオフ的作品にあたる。

絵のタッチがザ・劇画なので、最近の週刊少年ジャンプを愛読するような読者層には受け入れられないかもだが、読めばものすごく面白い。

まず、戦闘シーンが本当にウマい。
セリフはほとんどなく、絵のみで忍者ならではの疾走感のある戦いを描いている。
正直、昔の漫画だからそこまでじゃないっていう先入観があったので、それは本当にビックリした。
今のように「大ゴマ見開きで迫力出すぜ!」みたいなのはないのに、絵でグイグイ読める感じ。
昔の漫画ナメたらダメですね。

そして、ストーリーもすごく良い。
この巻は、カムイとカムイを追う追忍ウツセ、剣術の名門 尾州柳生家との因縁・戦いを描いているが、登場人物の運命の絡み合いを見事なドラマに仕立てている。
勧善懲悪感はほとんどなく、カムイが勝利し生き延びた後にも常に哀しみが漂う。

『カムイ伝』もいずれ読もう。

カムイ外伝/剣風 (My First Big SPECIAL)  

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