2012年1月18日水曜日
好きな漫画ベスト10(スポーツ漫画編2)
引き続き、第5位から発表します。
第5位 『あしたのジョー』(ちばてつや/朝森高雄)
社会現象にすらなった、歴史に残るボクシング漫画の金字塔。
40年以上も前の作品ですが、今読んでも、全く色あせていない。
まさに夢中になった。
正直、こんなに面白い漫画とは思っていなかった。凄すぎる。
飢餓感が生み出す凄まじい生命エネルギーの燃焼を、執念のこもった一本一本の線からも感じる。
ちば先生もまた、ジョーや力石のようにおのれの命を削りながら、悩みに悩み、人生を賭けて描いていたのあろう。
漫画好きなら、ぜひとも読んで欲しい。
この作品を超える漫画など、そうはないのだから。
第4位 『六三四の剣』(村上もとか)
最近では『JIN-仁-』の作者として知られる村上もとか先生の1980年代の名作。
主人公 夏木六三四、ライバル東堂修羅、美少女剣士 轟嵐子の青春を描く剣道漫画。
最初は小学生だった3人が、どんどん成長し青年になるまで続く。
その節目節目で、戦いがあり、恋愛があり、彼らの半生にどっぷり感情移入してしまう。
岩手が舞台のため、みんな方言で話すのがまたよい。
ほんと、読み出したらやめられず、村上もとか先生の偉大さをあらためて再認識します。
第3位 『オフサイド』(塀内夏子)
10位から4位の漫画より、この作品の方が面白いとは言わない。
ただ…好きなんです。
サッカー漫画と言えば『キャプテン翼』だった小学生の時、出会った全く違うタイプのサッカー漫画。
必殺技など全くなく、そこに描かれていたのは、サッカーをとりまく人間ドラマ。
絵柄も今までの少年マンガとはちょっと違っていて、高校サッカーという青春がすごくまぶしく見えた。五郎、薬丸、佐藤、日比野兄弟、不破、島本、阿部…みんな青春しててイイ。
作者の塀内夏子先生は僕がスゴいと思う4人の女性漫画家の1人。
スポーツを通して男の友情やプライド、夢、純情などを描かせたらかなりウマい。
女性が描くからポップでさわやかだし、でも切ない。
『Jドリーム』も大好きで、漫画としてのウマさはそっちの方があるんだけど、『オフサイド』は作者のわりと初期のヒット作、だんだんウマくなっていってるのがわかるし、作者自身のひたむきさもあらわれている。
それが高校サッカーという題材とよくマッチしている。
第2位 『デカスロン』(山田芳裕)
日本ではマイナーだが、世界ではキングオブスポーツとされるデカスロン(陸上十種競技)を描いた漫画。
素人同然だった風見万吉が、様々な国内のライバル達を倒し、ついには世界選手権で世界最強のデカスリートダン・オブライエンに挑む。
この漫画の最大の特徴は何といっても、超極端なパース(遠近法)とアングル。
作者独特のこの画法によって、陸上競技の疾走感と迫力が100倍増に!
初めて読んだときの衝撃は計り知れなかった。
僕は大好きですが、読む人を選ぶ漫画かもしれません。
「少々うざい」って思う人もいるでしょう。
だいたい、この作者は目のつけどころが他の漫画家と全然違い、最近では、戦国時代の数寄を描いた『へうげもの』が高い評価を得ている。
茶碗がどうだとか、器がどうだととか、そんな漫画を面白く描いているのだから、相当の変わり者だし、スゴい漫画家である。
第1位 『スラムダンク』(井上雄彦)
非常にベタですが、やはりこれです。
650万部を売り上げていたまさにジャンプ黄金期、それを『ドラゴンボール』『幽遊白書』とともに築いたのが、この作品。
連載されていたのは、ちょうど僕が中高生の頃。
桜木花道、流川楓、宮城リョータ、三井寿、ゴリ、彼らと同年代の頃にこの作品を読むことができただけで、非常に幸せな世代といえる。
『スラムダンク』を名作たらしめたのは、時間濃縮の魔法である。
ド素人の桜木花道が、バスケを始めてから全国王者山王を破るまで、わずか4ヶ月。
普通ならありえないが、その間に行われる全ての試合、全てのプレイ、全ての練習、全ての言葉が濃密であったから、4ヶ月でギリギリ届いた。
その間、桜木は魔法のような時間を過ごし、読者もそれを共有した。
山王戦、ラスト何十秒間か、登場人物全員の肉体は全くのムダなく躍動し、時間は決してそのスピードを緩めることなく、行為の密度のみを恐ろしいほどに高めて進んでいく。
ラスト2秒、流川から桜木へのパス。
桜木の脳裏によみがえる2万本のジャンプシュート。「左手はそえるだけ」0秒、ボールは宙を舞い、ゴール。
決して、ありえない時間の進み方はしていない。
人は同じ1分、1秒という容れ物に、かくも違う内容をつめこめるのか。
次の試合、魔法が切れた湘北は大敗した。
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