2012年1月30日月曜日

『ベルセルク』ワイド版1巻

映画がまもなく公開ってことで、ワイド版が立て続けに出る模様。
はっきり言うと、『ジョジョの奇妙な冒険』を除く全ての漫画の中で、最も面白いと思っているのがこの『ベルセルク』
『ジョジョ』は愛しすぎていて冷静な判断ができないので、殿堂入り、ナンバー0ってことで、事実上のマイ・オールタイム・ベストなのです。

というわけで、久々に読み返す第1巻。
「それは、剣という呼ぶにはあまりにも大き過ぎた。大きく、分厚く、重く、大雑把すぎた。それは、まさに鉄塊であった。」
と綴られるガッツの大剣の描写、1字1句覚えてたことに我ながら感動!

この1巻は、黒い戦士ガッツがひたすら化け物達と戦い続け、ゴッドハンド5人登場で終了。
この頃は、なぜガッツが戦っているのか?
ガッツの首の烙印はなんなのか?
ゴッドハンドって何?
などなど、読者にとっては謎だらけのまま進み、何も明かされていかない結構不親切な構成。
はっきり言って次の『黄金時代編』に入ってからの方が読みやすく、映画化もどうやら黄金時代編らしい。
でも、何がなんだかわからないままでも、夢中になって読まされたのは、その世界観と造形に圧倒されたから。
いちばん最初に私の心を奪ったのは、「真紅のベヘリット」
なんだ、この造形は?なんだ、この響きは?
三浦建太郎先生は天才に違いないと確信した瞬間だった。
そして、ゴッドハンド登場の瞬間。
「ベヘリット」が泣き、異次元の扉が開く。
その異次元空間の描写と5人の異様なゴッド・ハンドには凄まじい衝撃を受けた。
あの時の絵は、人生のいついかなる時も脳裏に甦らせることができる。

私は、映画なら『ロード・オブ・ザ・リング』が好きだし、どれだけしっかり世界観が確立されているかを「面白い」の基準にする所があります。
そういう意味で『ベルセルク』はパーフェクト。
もちろん、その世界観には中世ヨーロッパやキリスト教、悪魔崇拝などのモチーフはありますが、そこから飛翔した独自の世界の解釈があり、他のファンタジー作品には絶対にない、唯一無二の絵をたびたび見せてくれます。
もはや、私にとって三浦先生は漫画の作者ではなく、世界の創造主といった方が近いのです。

しかし、本当にこれが凄まじく面白い物語だったことは、まだまだ後にわかることだったのです。



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